伊藤貴麿関連資料(11)「董公子」

今回も、雑誌『新小説』28巻8号(大正12年8月)に掲載された「緑蔭雑筆」から、「董公子」という話です。主人の首は斬っても関帝廟のそばに埋めてはいけませんという話...なのかな?『聊斎志異』巻六に収められています。

綠蔭雜筆     伊藤貴麿

董公子

 靑州の董尙書の家庭は非常に嚴肅で、內外の男女はひと言も交す事を許されなかつた。或る日一人の婢と僕とが、中門の外で巫山戯て居たのを公子に見つけられて、ひどく、叱られて、二人共逃出して了つた。
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