今回も、雑誌『新小説』28巻8号(大正12年8月)に掲載された「緑蔭雑筆」から、祠にまつられた女性に婿入りさせられる、「金姑夫」という話です。『聊斎志異』巻七に収められています。
綠蔭雜筆 伊藤貴麿
金姑夫
會稽に梅姑祠と云ふのがある。御神體は、もと馬と云ふ姓の女で、東苑に住んで居たが、許婚の夫が早く死んで了つたので、それから何所へも嫁せず、操を立て通して、三十歲の時死んだので、身肉の者が祠を立てゝこれを梅姑祠と云つたのであつた。
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