生活禅のすすめ

 このたび山喜房佛書林というところから『生活禅のすすめ』(定価4000円+税)という本が出ました。私、この本の翻訳を一部担当しております。
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 この本は、中国の仏教界で指導的な立場にある浄慧法師の著書『生活禅鑰』(学術書ではなく、一般向けに書かれたものです)を日本語に翻訳したもので、全20章のうち、私は第2~8章を担当しました。(目次は以下の通り)

  序  末木文美士
  解説 何燕生
  自序
  第1章 禅とは何か
  第2章 達摩禅ー理入と行入ー
  第3章 四祖禅ー見地、功夫と方法ー
  第4章 六祖禅ー無念、無相、無住ー
  第5章 六祖が示した修と証
  第6章 『壇経』中の幾つかの問題
  第7章 臨済禅ー一切の知見を取り除くー
  第8章 臨済禅師の法語
  第9章 趙州禅ー平常心、本分事ー
  第10章 禅の「無門関」
  第11章 生活禅の大要
  第12章 生活禅の4つの根本
  第13章 『心経』と生活禅
  第14章 私たちの心をしっかりと管理する
  第15章 牛をなつけるように心を育てるー『十牛図頌』略説ー
  第16章 信仰、因果、良心、道徳
  第17章 感恩、寛容、共有、結縁
  第18章 生活の中の修行、修行の中の生活
  第19章 煩悩を処分する方法
  第20章 生活と生死

 さて、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、私の専門分野は仏教ではありません(『西遊記』は、一応取経の話ですが(笑))。そのため私の担当部分は、一旦訳し終えたあと、恥ずかしながら、仏教や中国思想を良くご存じの、ある先生にかなり手を入れていただいて、なんとかできあがった次第です(その分、訳文の信頼度は上がっていると思います(苦))。他の章を担当された先生方は、皆さん専門に近い分野の方々なので、しっかりとした訳になっているものと思われます。

 興味のある方は、以下のサイトでご注文いただくか、出版社にご注文いただくか、井上までご連絡ください。

Amazon
生活禅のすすめ

紀伊國屋書店
http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784796305716

セブンネット
http://7net.omni7.jp/detail/1106285868

出版社のURLは以下のとおりです。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/sankibo/

何卒、よろしくお願いいたします。
井上とお知り合いの方に関しては、私の方へご連絡いただいても、もちろんOKです。
よろしくお願いいたします。

※ 2014.09.04 編集。
※ 2016.09.06 Amazonリンク訂正。その他リンクも修正。


不意打ち(『おとうさんはウルトラマン』)

 次男(三歳)と出かけた妻が、帰宅後、お出かけ先で次男が気に入った絵本があったので購入して欲しいといいました。それが、この本。
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 まあ、ヒーロー好きの次男がウルトラマンの絵本を気に入っても何の不思議もないので、疑うこと無く購入。早速読み聞かせてみると、なんとこれ、「子どもを喜ばせる本」というよりは、「父親を泣かせる本」でした。

 いや、こういう不意打ち勘弁してほしいです。特に父子ものとか。
最近すっかり涙腺がゆるくなっているのに...。

 次男は、ここに書かれた父親の気持ちがわかっているのか、いないのか、とにかく気に入ってはいるようなので、妻に騙されたという訳ではないようですが...。


三国志演義の世界

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 唐宋伝奇の講義を終えたら、いよいよ白話小説。まずは『三国志演義』です。

 『三国志演義』を概説した必読書といえば、金文京『三国志演義の世界』(東方書店)ですが、この本、今年五月に増補版がでています。
 1993年に出た初版との違いについて、金先生は「再版あとがき」で、

再版では、この十七年間における研究の進展をできるだけ反映させるとともに、韓国語版で増補した日本と韓国における『演義』受容の状況を、第九章としてあらたに書きたした。ただし韓国語版を全面的に改稿したもので、内容は同じでない。

と、書かれています。ちなみに、第九章タイトルは「東アジアの『三国志演義』」で「朝鮮半島の『三国志演義』」「日本の『三国志演義』」「『三国志演義』主要テキスト一覧」の三項から成り立っています。

 また、目次を見ると、第七章「『三国志演義』の出版戦争」に「『三国志演義』と受験参考書」という項目があり、これも書き足された部分だと思われます。

 試みに、第二章「『三国志』と『三国志演義』…歴史と小説」(p.16-52)に、ざっと目をとおしてみますと、5,6箇所ほど初版と異なる箇所が見つかりました。例えば初版で、

『演義』の現存するもっとも古いテキストである明代の嘉靖本『三国志通俗演義』では、…(p.25)

と、なっている箇所が、増補版では、

『演義』の現存するもっとも古いテキストである明代の嘉靖元年序刊の『三国志通俗演義』(従来、この本は嘉靖本とよばれてきたが、本書では同じく嘉靖年間刊行の葉逢春本と区別するため、以後、序文作者の名をとって張尚徳本とよぶことにする)では、…(p.21)

となっていますが、これなどは「あとがき」でいう「研究の進展を反映」させた箇所でしょう。

 他には初版で、

それは『魏書』という書物に見える話で、そこでは呂伯奢の家族が曹操をおどして、馬と荷物をとったので、曹操はやむなく彼らを殺したということになっているのである。先の話とはまるであべこべであろう。 / 『三国志』の注は両説を並記するだけで、どちらが正しいとも言っていない。しいて言えば、先にあげた『魏書』の方に重きがあるであろうか。しかし『演義』は後者の話の方をとった。その理由は説明するまでもないであろう。(p.41)

と、なっている箇所を増補版では、

それは王沈の『魏書』に見える話で、そこでは呂伯奢の家族が曹操をおどして、馬と荷物をとったので、曹操はやむなく彼らを殺したということになっているのである。先の話とはまるであべこべであろう。『三国志』の注は両説を並記するだけで、どちらが正しいとも言っていない。しかし王沈の『魏書』は、曹操や魏に都合のよい記述が目立つ書物であり、『演義』がこれを採らなかったのは当然であろう。(p.37)

と、するように、初版と説明を変えたり、丁寧にした箇所がいくつかありました。

 本文の活字も少し大きくなっており、全体的に読みやすくなった印象です。
なお、貫華庵>ネット目録>三国志演義>関連書籍の項にも、この「増補版」を入れておきました。

※ 2016.09.06 Amazonリンク訂正


漢文法基礎

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 今から二十数年前の高校時代、部活が忙しくて、塾などに通っていなかった私は、Z会の通信添削で受験勉強をしていました。受験勉強をしていたといっても、添削教材をやらずにどんどんため込んでしまうような不真面目な会員だったのですが、教材自体はとても気に入っており、参考書もZ会のものを使っていました。
 その中でも特に記憶に残っている参考書が、二畳庵主人『漢文法基礎』です。説明が詳細かつ的確なだけではなく、文章も面白くて、参考書というよりも愛読書という感じでした。中国文学専攻に進んだこともあり、受験が終わっても大学時代の下宿には持っていったような気がするのですが、いつのまにかどこかへ行ってしまい、非常に残念に思っていました。それが今回講談社の学術文庫で出版されるときき、早速購入してみてびっくり。二畳庵先生って加地伸行先生だったのですね。もしかして有名な話?
 久しぶりに読んでみると、やはり懐かしい。本文前の山村暮鳥《ある時》にはじまり、和文脈と漢文脈(p.21)、出題率による入試問題予想に対する批判(p.24)、「レ」は「れ点」ではなく「かりがね点」(p.66)、連文・互文(p.142)……そうそう、憶えていますよ。
一方で、記憶に無かった箇所もやはり結構あります。例えば、「若……然」の説明。

 ところで「若……然」というタイプがある。例えば、

  若視其肺肝然

という文。(中略)「其の肺肝を視るがごとくしかり」と読むことになる。「その肺肝を視るのしかるがごとし」と読んではいけない。(中略)興味深いことに、現代中国語にもそれが投影されている。(中略)例えば、

  好像飛機一様(「飛機」は「飛行機」のこと)

は、「好(あたか)も飛機に像(かたど)りて一様なり」或いは「好(よ)く飛機に像りて一様なり」「飛機に像ることを好くして一様なり」とでも訓読できるタイプで、「若飛機然」(飛機のごとくしかり)と同じようなものである。(p.188-190)

新たに加えられた箇所なのか、当時は中国語がわからなかったので、あまり解りやすくなかったのか、今読むと非常にわかりやすい説明だと思うのですが、記憶にありませんでした。
 研究対象を明清白話小説にしてからは、資料をほとんど中国語読みするので、漢文訓読の機会は少なくなっておりますが、これを機に、懐かしがりながら復習してみたいと思います。

※ 2016.09.06 Amazonリンク訂正。


ebook版『水滸伝』(李志清・夏秋のぞみ)

李志清・夏秋のぞみのコミック『水滸伝』がeBookJapanででたようです。
・ eBookJapan 『水滸伝』 全16巻 [立ち読み版アリ!]
一冊¥315で、「安っ!」と思ったら、ebook2冊で文庫版一冊分の内容でしたか。
だったら同じぐらいですね。
↓MF文庫版
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※ 2016.09.06 Amazonリンク訂正。