伊藤貴麿関連資料(4)「畫皮」

前回に続いて、雑誌『新小説』第27巻8号に掲載された「聊齋妖話」から「畫皮」です。
「聊齋妖話」には、前回の「胡四姐」と、この話が収められています。今回の方がちょっとエグいかも。また、現在の基準からすると不適切な表現も見られますが、あらかじめご了承ください。

聊齋妖話     伊藤貴麿

畫皮

 太原の王生と云ふ者が、未明に表に出た所が、一人の娘に遇つた。包みを抱へてたつた一人で急ぎ乍ら、甚步きにくさうにして居る。生は急ぎ走つて追い着いて見ると、十六ばかりの嬌娜姿である。心が切りに動いたので聲をかけて見た。
「姐さんはどうしてこんな夜明に、獨りで行きなさるんだい。」
すると女は云つた。 “伊藤貴麿関連資料(4)「畫皮」” の続きを読む